不動産売却のベストタイミングは?不利な時期や売り時を逃さないコツも解説

不動産売却のベストタイミングは?不利な時期や売り時を逃さないコツも解説
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「不動産を売却したいけれど、ベストタイミングはいつなのだろう?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。不動産売却は大金が動く取引であるため、タイミングによっては損をしてしまう可能性があります。そのためより良い条件で不動産売却するには、売却タイミングの判断基準を学ぶことが重要です。

本記事では不動産売却におけるベストタイミングの判断ポイントについて解説。不動産売却で不利になる時期や、売り時を逃さないコツも紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。

不動産売却におけるベストタイミングの判断ポイント6つ

不動産売却におけるベストタイミングの判断ポイントは次の6つです。

  • ①季節・時期
  • ②築年数
  • ③ライフスタイルの変化
  • ④税金
  • ⑤市場動向・相場
  • ⑥住宅ローン金利

①季節・時期

判断ポイントの1つ目は季節・時期です。ここでは次の2つを説明します。

  • 月別の成約件数の変化
  • 季節・時期から見る売却タイミング

月別の成約件数の変化

季節・時期から売却タイミングを考えるために、まずは月別の成約件数の変化を見てみましょう。下図は公益財団法人不動産流通推進センターが調査した「売り物件成約報告件数の最近の動向」です。

▲出典:公益財団法人不動産流通推進センター

上図を見ると、不動産売却の成約件数がもっとも多いのが3月だということがわかります。新年度が始まる4月に新生活をスタートさせるために、3月までに住宅購入を完了させたいという需要が高まることが予想されます。

一方で不動産売却件数が少なくなるのは8月と1月です。8月と1月はお盆や年末年始が含まれるため、不動産売買の動きが鈍くなると考えられます。

季節・時期から見る売却タイミング:2~3月

季節・時期で見ると、売却タイミングは2~3月となります。もし2~3月を逃してしまった場合は4月から成約件数が右肩下がりになってしまうため、無理に売却活動を開始せずに需要が高まる時期を待つのも手です。

ただし不動産の成約自体は1年を通して発生しているため、2~3月を狙うというよりも売却件数の少ない8月や1月を避けることで売れ残りを防ぐ、と考えた方が良い場合もあります。また2~3月は他の人も狙いやすいタイミングともいえるので、状況によっては競合が多くなるリスクも。売却タイミングを考えるにあたっては「季節・時期」だけではなく、他の5つのポイントも考慮したうえで多角的な視点で判断するようにしましょう。

②築年数

判断ポイントの2つ目は築年数です。ここでは次の2つを説明します。

  • 築年数による価格の変化
  • 築年数から見る売却タイミング

築年数による価格の変化

築年数から売却タイミングを考えるために、まずは築年数による価格の変化を見てみましょう。公益財団法人東日本不動産流通機構の調査によると、中古マンションの築年別平均価格は下図のようになっています。

▲出典:公益財団法人東日本不動産流通機構

上図を見ると中古マンションの平均価格は築年数の経過とともに低下していき、築16~20年ごろを超えると下げ幅が大きくなることがわかります。

次に築年数による住宅の資産価値の変化を見てみましょう。国土交通省の調査によると、住宅の資産価値(取得時を100%)を縦軸、築年数を横軸としたときのグラフは以下のようになります。

▲出典:国土交通省

上図を見ると戸建て住宅の価値は15~20年ごろまでに資産価値が10%~20%程度まで急落し、その後は横ばいで推移していることがわかります。またマンションについては築年数に比例して資産価値が下落しています。

築年数から見る売却タイミング:築15~20年以内

築年数から売却タイミングを考えると、築15~20年以内なら不動産を高く売却しやすいといえるでしょう。とくに戸建て住宅はマンションよりも築年数による価格の下げ幅が大きいため、売却価格の観点で見ると早めに売却した方が得だといえます。

また住宅には構造によって法定耐用年数が定められていることも考慮が必要です。法定耐用年数とは、固定資産の価値がどのくらいの年数でなくなるのかを法律で定めたものです。法定耐用年数は下表の例のように、建物の種類ごとに定められています。(参考:国税庁

構造の種類

住宅用の法定耐用年数

木骨モルタル造

20年

木造・合成樹脂造

22年

れんが造・石造・ブロック造

38年

鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造

47年

ただし法定耐用年数は「建物の寿命」とは異なるため、法定耐用年数が過ぎたら売却できないというわけではありません。建物の状態が良ければ十分売却できる可能性がありますが、買い手側の一つの基準となる可能性があることをおさえておきましょう。

③ライフスタイルの変化

判断ポイントの3つ目はライフスタイルの変化です。ここでは次の2つを説明します。

  • 住み替え理由となりうるライフスタイルの変化
  • ライフスタイルの変化から見る売却タイミング

住み替え理由となりうるライフスタイルの変化

ライフスタイルの変化から売却タイミングを考える前に、住み替え理由となるライフスタイルの変化にはどのようなものがあるか見ていきましょう。国土交通省の調査によると、「最近5年間に実施した住み替えの目的」のトップ7は下表のとおりです。

第1位:通勤・通学の利便

35.1%

第2位:広さや部屋数

21.4%

第3位:世帯からの独立(単身赴任、離婚などを含む)

18.2%

第4位:新しさ・きれいさ

16.2%

第5位:結婚による独立

14.1%

第6位:住居費負担の軽減

13.2%

第7位:家族等との同居・隣居・近居

11.8%

上表によると第1位は「通勤・通学の利便」となっており、就職や転職、人事異動、就学のタイミングなどが住み替えの大きな理由になっていることがわかります。第2位~第7位を見ると、結婚や離婚、単身赴任、子どもの誕生や成長などにより入居者数が変化するタイミングも住み替え理由となりえます。

ライフスタイルの変化から見る売却タイミング:ライフイベントの発生時

ライフスタイルの変化から見る売却タイミングは、ライフイベントが発生したときです。ライフイベントとは、就学、就職、結婚、出産などの人生で訪れる可能性のある出来事を指します。ライフイベントのなかでも「地域の変更」や「家族構成の変更」が生じるときは、売却タイミングとなりやすいといえるでしょう。

不動産の売却タイミングを逃さないためにも、ライフイベントの発生を想定したうえで早めに売却の計画を立てておくことが重要となります。

④税金

判断ポイントの4つ目は税金です。ここでは次の3つを説明します。

  • 不動産所有期間による譲渡所得税の変化
  • 税金控除や特例の適用時期
  • 税金から見る売却タイミング

不動産所有期間による譲渡所得税の変化

不動産を売却すると、売却益に対して譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は不動産の所有期間に対して下表のように変化するため要注意です。

 

対象

所得税

住民税

長期譲渡所得

(参考:国税庁

不動産所有期間が5年超

15%

5%

短期譲渡所得

(参考:国税庁

不動産所有期間が5年以下

30%

9%

不動産所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、「長期譲渡所得」と比べて税率が高くなります。そのため不動産売却しようと考えているタイミングが所有期間5年以下の場合は、5年を超えるまで待った方が良い可能性があるでしょう。

なお所有期間は不動産売却した年の1月1日現在での計算となります。国税庁のホームページで最新情報を確認し、所有期間の計算を正確に行うようにしましょう。

税金控除や特例の適用時期

税金控除や特例などの制度によっては、適用要件として「所有期間」が定められている場合があります。代表的な税金控除や特例制度は下表のとおりです。

制度

所有期間

マイホームを売ったときの特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)(参考:国税庁

要件なし

特定のマイホームを買い換えたときの特例(参考:国税庁

10年超

マイホームを売ったときの軽減税率の特例(参考:国税庁

10年超

なお上記の制度には所有期間以外にも要件が定められているため、適用したい場合は国税庁のホームページにて最新の適用要件を確認しましょう。

税金から見る売却タイミング:所有期間が5年超

税金から見る売却タイミングは、所有期間が5年を超えたときであるといえるでしょう。5年を超えれば譲渡所得税が「長期譲渡所得」に切り替わるため税率が低くなります。

また所有期間が10年にギリギリ満たない物件を売却する場合は、10年を超えるまで待って税制優遇の特例を受けた方がお得な可能性も。不動産の条件に応じて、事前に課税額を計算しておくことをおすすめします。

⑤市場動向・相場

判断ポイントの5つ目は市場動向・相場です。ここでは次の3つを説明します。

  • 不動産市場の動向
  • 売却したい不動産の相場
  • 市場動向・相場から見る売却タイミング

不動産市場の動向

市場動向や相場から売却タイミングを考えるために、まずは現在の不動産市場の動向を見てみましょう。不動産市場における動向を確認する指標として、不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指標」があります。下図は国土交通省が調査した、全国の不動産価格指数(住宅)です。

▲出典:国土交通省

上図を見ると「住宅総合」は、2020年から2023年現在まで上昇傾向にあることがわかります。なかでも「マンション(区分所有)」の上昇傾向が強く、「戸建住宅」に関しては2020年からは上昇傾向にあるものの最近の1・2年は停滞しています。

売却したい不動産の相場

売却タイミングを考えるにあたっては、不動産市場全体の動向だけでは不十分です。自身が売却したい不動産の相場もあわせて確認し、傾向を読み取りましょう。

売却したい不動産価格の相場を知るには、以下2つのサイトが参考になります。どちらも不動産売買の成約価格を検索できるサイトとなっているため、自分が売却したい物件と近い条件を探して相場の動向を確認しましょう。

レインズ・マーケット・インフォメーション

国土交通大臣指定の不動産流通機構が保有する不動産の成約価格などの取引情報を閲覧できるサイト。土地の取引情報は対象外。

不動産総合情報システム

国土交通省が提供する、不動産の取引価格などを閲覧できるサイト。

市場動向・相場から見る売却タイミング:相場が高価格

不動産売却はできるだけ相場価格が高いタイミングを狙うのがベストです。そのため相場が上昇傾向にあり、かつその傾向が続くと予想されるなら、できるだけ待ってから売った方が得だといえます。一方で相場が下降傾向にあり、かつその傾向が続くと予想されるなら、できるだけ早く売った方が多くの利益を確保できるといえるでしょう。

ただし将来のことは誰にもわからないため、待てば確実に得をするとはいえません。それぞれの状況に応じて、適切なタイミングを調整することをおすすめします。また地域などによっても市場動向や相場が変わる可能性があるため、地域の情報に詳しい不動産会社に相談してみるのも良いでしょう。

⑥住宅ローン金利

判断ポイントの6つ目は住宅ローン金利です。ここでは次の2つを説明します。

  • 住宅ローン金利の推移
  • 住宅ローン金利から見る売却タイミング

住宅ローン金利の推移

住宅ローン金利から売却タイミングを考えるために、まずは住宅ローン金利の推移を見てみましょう。下図は住宅金融支援機構が掲載している、「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」です。

▲出典:住宅金融支援機構

上図を見ると変動金利型は、低水準のまま推移していることがわかります。固定金利型はその性質上、変動金利よりは高くなるものの、1980年代の数値を考えると低水準に位置しているといえるでしょう。つまり2023年現在は、住宅ローン金利が低い時期にあるといえます。

住宅ローン金利から見る売却タイミング:低金利

住宅ローン金利から見る売却タイミングは、「低金利」なときです。低金利であれば購入者側が住宅ローンを利用するときに支払う利息が少なくなるため、不動産を売りやすくなるでしょう。したがって2023年現在は、住宅ローン金利から見ると不動産を売却しやすいタイミングであるといえます。

ただし住宅ローンが低金利であるということは、世の中の景気が悪い時期であるともいえます。購入者の所得が下がっていれば不動産の購買意欲も低下してしまう可能性があるため、住宅ローン金利のみで売却判断することはおすすめできません。必ず他の判断基準を加味して、多角的な視点から判断するようにしましょう。

不動産売却で不利な時期4つ

不動産売却で不利な時期は次の4つです。

  • ①相場価格が上昇中であるとき
  • ②所有期間が5年以下であるとき
  • ③税制優遇が適用される時期に近いとき
  • ④住宅ローン金利が高いとき

①相場価格が上昇中であるとき

相場価格が上昇中であるときは、基本的には遅く売るほど利益が確保できるといえます。そのため上昇傾向が今後も続きそうだと考えられるときは、不動産売却を待つという判断が有効になる可能性も。ただし今後の動向については誰も保証できないため、相場価格以外の判断基準も考慮したうえで売却タイミングを見極めることをおすすめします。

相場を見るときの注意点としては、不動産価格指数だけでなく「売却したい不動産の相場価格」を確認することです。不動産価格指数は全国、ブロック別、都市圏別の不動産価格の動向を示したものであるため、売却したい不動産の相場価格が必ずしも連動しているとは限りません。そのため売却したい不動産と同様の条件で、相場を確認するようにしましょう。

②所有期間が5年以下であるとき

所有期間が5年以下であるときは、譲渡所得税の面から不利になります。そのため少しでも節税したい場合は、5年を超えてから売却した方が良いでしょう。

また住宅ローンを利用して不動産を購入した場合は、住宅ローンの面からも不利になる可能性があります。なぜなら借り入れから間もない時期に売却すると、住宅ローンの残債が売却価格よりも高くなる可能性があるためです。売却時には住宅ローンの残債も考慮することをおすすめします。

③税制優遇が適用される時期に近いとき

税制優遇が適用される時期が近いときも、売却に不利なタイミングであるといえるでしょう。なぜなら「税金控除や特例の適用時期」の章でも紹介したとおり、税制優遇の適用要件に「物件の所有期間」が示されている場合があるためです。

もしも適用要件にギリギリ満たないタイミングで売却を考えている場合は、適用要件を満たすまで待った方がお得になる可能性があります。そのため適用したい税制優遇制度があれば、その適用要件をよく確認しておくようにしましょう。

④住宅ローン金利が高いとき

住宅ローン金利が高いときは、不動産の購買意欲が低下しやすい時期です。不動産の購入者は住宅ローンを利用するケースが多いため、利息の支払いを考えると購入に手を出しづらくなるためです。

とくに2023年現在は低水準が続いているため、住宅ローン金利が上がったときの影響が大きくなる可能性があります。そのため住宅ローン金利も意識して、売却タイミングを考えると良いでしょう。

不動産の売り時を逃さないコツ2つ

不動産の売り時を逃さないコツは次の2つです。

  • ①売却期間を考慮して早めに準備開始する
  • ②不動産買取も視野に入れる

①売却期間を考慮して早めに準備開始する

本記事を読んで不動産の売却タイミングがわかっただけでは、売り時を逃してしまう可能性があるため要注意です。なぜなら不動産売却には複数のステップを踏む必要があるため、前もって準備しておかなければ売却したいタイミングを過ぎてしまう可能性があるためです。

そのため不動産の売却期間も考慮したうえで、早めに準備開始することをおすすめします。不動産の売却期間については以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:不動産売却にかかる平均期間とは?売却スケジュールや早く売るコツも

②不動産買取も視野に入れる

不動産売却には不動産に仲介してもらい買い手を探す方法(以降「仲介」と記載)と、不動産会社に買い取ってもらう方法(以降「買取」と記載)の大きく2つがあります。

「仲介」は「買取」と比較して不動産を高く売却できる可能性があるものの、買い手を探す時間がかかるのがデメリットです。一方で「買取」であれば買い手が不動産会社となるため、短期間で不動産売却が完了できます。そのため売り時に確実に合わせたければ、不動産買取も視野に入れるのがおすすめです。

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