土地売却の流れを6ステップで解説|費用や税金、必要書類、注意点も
初めて土地売却を検討される方のなかには、「土地を売却したいけれど、何から始めたら良いのだろう」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
しかしよくわからないまま土地売却の手続きを進めてしまうと、希望の条件で売却できない可能性があるため要注意です。そのため土地売却を検討されている方は、まず土地売却の流れを把握することがおすすめです。
本記事では土地売却の基本的な流れと、以下3つのケースで必要な手続きを解説。
- 相続した土地売却
- 古家付き土地売却
- 個人間での土地売却
土地売却の費用や税金、必要な書類、注意点も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
土地売却の基本的な流れ6ステップ
土地売却の基本的な流れ6ステップを解説します。
- ステップ①不動産会社へ査定依頼・相談
- ステップ②不動産会社との媒介契約の締結
- ステップ③売却価格の決定・売却活動
- ステップ④買主との売買契約締結
- ステップ⑤決済・引渡し
- ステップ⑥確定申告
なお不動産売却の方法には「仲介」と「買取」の大きく分けて2つの種類がありますが、ここではステップの多い「仲介」のスケジュールを基本として説明します。「買取」の流れについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:不動産売却の流れとは?必要な書類や費用・税金、注意点も解説
ステップ①不動産会社へ査定依頼・相談
ステップ①は不動産会社への査定依頼・相談です。まずは土地の売却価格を把握しておくため、複数社の不動産会社へ査定依頼を出します。査定方法には次の2つがあります。
簡易(机上)査定 | 土地の住所や面積などの情報をもとに査定する方法。インターネットや電話で手軽に依頼可能であり、結果が出るのも1~2日程度と短期間。ただし実際の物件を見ていないため査定結果の精度が低い。 |
訪問査定 | 土地や周辺環境を実際に見てもらい査定する方法。現地での査定は1~2時間程度であり、結果が出るのは1週間程度。実際の物件を見てもらうため正確な査定結果が得られる。 |
簡易査定だけでは正確な査定結果が出ないため、最終的には訪問査定が必要となることに要注意です。ただし気になる不動産会社すべてに訪問査定を依頼すると手間や時間がかかるため、まずは簡易査定の結果をもとに不動産会社を絞り込みましょう。
関連記事:不動産売却はどこがいい?判断基準やランキング、コツも解説
ステップ②不動産会社との媒介契約の締結
ステップ②は不動産会社との媒介契約です。契約したい不動産会社が決まったら、媒介契約へと進みます。媒介契約には次の3種類がありますので、それぞれの特徴を理解したうえで契約方法を選択しましょう。
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複数社との媒介契約 | 可能 | 不可 | 不可 |
自身で買主を見つけた場合の仲介手数料 | 必要 | 必要 | 仲介不可 |
契約期間 | 規定なし | 3ヶ月ごとに更新 | 3ヶ月ごとに更新 |
指定流通機構(レインズ)への登録義務 | 任意 | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 |
売却活動の報告義務 | 任意 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
媒介契約の選択に迷う場合は、まず以下2点を考えてみましょう。
- 複数社と媒介契約したいか
- 自身で買主を探す予定があるか
複数社と媒介契約したい場合は、「一般媒介契約」の一択です。「一般媒介契約」であれば複数社と媒介契約できるため、自身の土地を幅広くアピールできるでしょう。ただし不動産会社からすると自分たちの利益にならない可能性があるため、営業を積極的に行ってくれないケースも。またレインズへの登録や売却活動の報告義務がないため、売却活動の進捗がわかりづらいデメリットもあります。
媒介契約が1社のみで十分だという人は、「専任媒介契約」か「専属専任媒介契約」の二択です。両者の大きな違いは「自身で買主を探す予定があるかどうか」です。自身で買主探しをする予定があれば「専任媒介契約」、買主探しの予定がなければ「専属専任媒介契約」を選択しましょう。
ステップ③売却価格の決定・売却活動
ステップ③は売却価格の決定・売却活動です。まずは実際に土地をいくらで売り出すか、売却価格を決定しましょう。売却価格が決定したら、土地の売却活動に進みます。基本的には不動産会社が主体となって広告宣伝活動するため、売却活動については不動産会社に任せておけば問題ありません。
売却活動が進むと希望者が土地の見学に来ますが、基本的に売主の立ち会いは不要です。その代わり売却活動の状況について、営業担当に定期的に確認するようにしましょう。
ステップ④買主との売買契約締結
ステップ④は買主との売買契約です。買主が見つかったら、売買契約の締結に進みます。基本的には売主と買主が不動産会社のオフィスへ集合し、売買契約を交わします。
売買契約では必ず契約書の読み合わせを行い、認識祖語がないかどうかを確認しましょう。また売買契約時には買主から手付金を受領するのが一般的な流れとなりますので、受領確認も忘れずに行いましょう。
ステップ⑤決済・引渡し
ステップ⑤は決済・引渡しです。決済では手付金を引いた残代金を受領。そして土地の所有者の移転登記申請を行うことで、買主へ土地を引き渡します。
売主は仲介手数料や土地所有移転登記費用の支払いが必要となりますので、費用の受領だけでなく自身の支払いについても忘れずに準備しておきましょう。
ステップ⑥確定申告
ステップ⑥は確定申告です。土地の売却で利益が出た場合、売却した翌年に確定申告が必要となります。確定申告時には測量費や解体費などの売却に要した費用を経費として計上できるため、領収書を受け取っておきましょう。
確定申告は税金の特別控除を受けるためにも必要になります。該当する特例がある場合は忘れず利用しましょう。なお特別控除の詳細は本記事の「土地売却に利用できる特別控除」の章で解説します。
相続した土地売却で必要な手続き3つ
相続した土地を売却する場合は、前章で説明した「土地売却の基本的な流れ」に加えて次の3つの手続きが必要です。
必要な手続き | 時期 |
①相続人全員との遺産分割協議 | 「ステップ①不動産会社への査定依頼・相談」の前 |
②相続登記 | 「ステップ①不動産会社への査定依頼・相談」の終了時まで |
③売却益の分配 | 「ステップ⑥決済・引渡し」の後 |
ここではそれぞれの手続きについて解説していきます。
関連記事:相続した不動産を売却する方法や流れ|税金の特例が利用できる早めの売却がおすすめ
①相続人全員との遺産分割協議
相続人が複数いる場合は、相続人全員との遺産分割協議が必要です。単独相続の場合は遺産分割不要ですので、この章はスキップして問題ありません。
遺産分割協議とは遺産をどのように分割するのかを、相続人同士で決める話し合いを指します。遺産分割協議の終了後には協議内容をまとめた「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名・押印します。「遺産分割協議書」は自分でも作成可能ですが、司法書士などの専門家への依頼も可能です。専門家に依頼する場合は、遺産分割協議のタイミングに合わせられるように早めに準備しておくのがおすすめです。
なお「遺産分割協議書」は土地の名義変更時に必要となりますので、すぐに提出できるようにしておきましょう。
②相続登記
土地の売却は所有権をもつ名義人でしか行えないため、被相続人から相続人へと名義変更する手続きを行いましょう。なお被相続人から相続人へと所有権を移す登記を「相続登記」といいます。
もし相続登記せずに放置した場合、他人から差し押え登記をされるリスクがあるので要注意です。たとえ遺産分割協議により1人だけが土地を相続することになったとしても、相続登記するまでは第三者には伝わりません。そのため他の相続人に借金があった場合、相続登記前であれば債権者が不動産を差し押さえ可能となってしまうのです。このようなリスクを防ぐためにも、相続登記は早めに済ませましょう。
相続登記の申請は相続人の居住地ではなく、「土地の所在地」にある法務局へ行います。相続登記は自分でもできますが、司法書士へ依頼するのが一般的です。不動産会社であれば提携の司法書士を抱えていることが多いため、司法書士を探すのが面倒な場合は不動産会社に相談してみましょう。
③売却益の分配
相続人が複数いる場合は、土地売却で売却益の分割が必要となります。単独相続の場合は不要な作業ですので、この章はスキップして問題ありません。
土地の決済・引渡しが完了したら、受領した現金を「遺産分割協議書」で定めた割合に分割します。なお相続した土地にかかる税金に関しても、それぞれの相続人に対して発生しますので注意しましょう。
古家付きの土地売却で必要な手続き2つ
古家付きの土地売却の際には、前章で説明した「土地売却の基本的な流れ」に加えて次の2つの手続きが必要となります。
必要な手続き | 時期 |
①古家を解体して更地にするかを決定 | 「ステップ①不動産会社への査定依頼・相談」と同時期。査定結果をもとに、不動産会社と相談しながら更地にするか判断する。 |
②(更地にする場合)解体業者の選定・解体作業 | 解体作業が完了するまでに「ステップ②不動産会社との媒介契約の締結」を終わらせると、その後の売却活動がスムーズに進む。具体的な時期は不動産会社と要相談。 |
それぞれの手続きについて解説していきます。
①古家を解体して更地にするかを決定
古家付きの土地を売却する際は、まず古家を解体して更地にするかどうかの決定が必要です。ここでは更地にするかどうかの判断材料として、次の2つを解説します。
- 古家付きのまま売却するメリット・デメリット
- 更地にして売却するメリット・デメリット
上記のメリット・デメリットは、古家や土地の状態によっても変わる可能性があります。解体の判断は不動産会社へ相談してから決定するようにしましょう。
古家付きのまま売却するメリット・デメリット
古家付きのまま売却する場合は、次のメリット・デメリットがあります。
メリット |
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デメリット |
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古家付き土地の「古家」に関しては、経済的な価値がほぼゼロの状態です。そのため古家を残す場合は売却後に買主側で解体することが多いため、買主が手を出しづらい物件になってしまう可能性があります。
なお古家付きのまま早期に売却したい場合は、「不動産買取」も視野に入れて検討しましょう。不動産買取は売却する相手が不動産会社になるため、買主を探す手間なく短期間で売買契約を締結できます。
更地にして売却するメリット・デメリット
更地にして売却するメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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更地にして売却すると流動性が高くなるため、古家付き土地と比較して買主が見つけやすくなるでしょう。また査定価格も高くなる傾向にあるため、デメリットである解体費用や固定資産税の影響を抑えられる可能性があります。
②(更地にする場合)解体業者の選定・解体作業
更地にする場合は、解体業者の選定および解体作業が必要となります。解体業者の選定時には複数社に見積もりを依頼することで、比較検討できるようにしましょう。見積もり時には現地での対応が必要になるため、遠方に住んでいる人は要注意です。
また解体工事前には可能な限り、近隣住民へ挨拶することをおすすめします。解体工事期間中は騒音やトラックの出入りなどが発生するため、事前に挨拶しておくことでトラブルを防止できる効果が期待できるでしょう。
個人間での土地売却で必要な手続き2つ
土地の売却には不動産会社を介すことが一般的ですが、個人間でも売買できます。個人間での土地売却で必要な手続きは次の2つです。
- ①買主探し
- ②買主との交渉・各種調整
①買主探し
不動産会社を介さず個人間での土地売却を行う場合は、自分で買主探しが必要となります。買主がすでに決まっている場合は、この章はスキップして問題ありません。
自分で一から買主を探す場合は、不動産の個人間売買サイトへ登録するのが一般的です。不動産の個人間売買サイトに自身の土地を掲載することで、購入希望者の募集が可能となります。代表的な個人間売買サイトは以下の2つです。
仲介手数料不要で、売却できるまで無期限で掲載可能。掲載料が1回のみ発生するものの、3,300円(税込)~と良心的な価格。希望があれば別途エージェントサポートを依頼可能。(エージェント費用は依頼先により異なる。) | |
仲介手数料・掲載料不要。掲載期間も無期限。 |
なお不動産の個人間売却はトラブルが非常に発生しやすいため、買主探しは慎重に行いましょう。たとえば買主に言いくるめられて不利な契約をしてしまうことや、買主都合により契約が途中で破棄になることが起こり得ます。そのため知人へ売却するなど特別な理由がなければ、不動産会社の利用をおすすめします。
②買主との交渉・各種調整
買主が見つかったら、売買契約締結のための交渉に進みます。交渉時には売却価格だけでなく、引渡し日などの売買契約に必要な条件についてお互いにすり合わせましょう。
売買契約を締結できたら、引渡し日に土地の名義変更を行います。個人間の売却であれば売主と買主が法務局へ集合し、自分たちで名義変更の手続きを行うことも可能です。名義変更を司法書士に依頼する場合は、土地の引渡し日に間に合うよう早めに準備を進めておきましょう。
土地売却にかかる費用や税金
土地売却にかかる費用や税金として、次の3つを説明します。
- 土地売却にかかる費用
- 土地売却にかかる税金
- 土地売却に利用できる特別控除
土地売却にかかる費用
土地売却にかかる費用は以下のとおりです。
仲介手数料 | 不動産会社に仲介してもらう場合に発生する手数料。 |
解体費用 | 古家を解体する場合に発生する費用。 |
測量費用 | 土地の測量が必要な場合に発生する費用。 |
その他 | 土地に抵当権が設定されている場合は抵当権抹消費用が発生。 |
状況によって必要な費用が変わる可能性があるため、不動産会社への相談時に確認しておきましょう。
土地売却にかかる税金
土地売却にかかる税金は以下のとおりです。
印紙税 | 売買契約書にかかる税金。契約書に収入印紙を貼付して納付。 |
登録免許税 | 所有者の移転登記を行う際に発生する税金。 |
譲渡所得税 | 土地の売却で利益が出た場合に発生する税金。 |
税金についても状況によって変わる可能性があるため、費用と合わせて不動産会社への相談時に確認しておきましょう。
土地売却に利用できる特別控除
土地売却時には以下2つに該当する場合、税金の特別控除が受けられる可能性があります。
上記に該当する場合は、国税庁のホームページや税務署などで詳細を確認してみましょう。
土地売却に必要な書類
土地売却手続きをスムーズに進めるためには、必要な書類を可能な限り事前に準備しておくことが大切です。土地売却に必要な書類は以下になります。
身分証明書 | 運転免許証やパスポートなどの本人確認書類。 |
印鑑証明書・印鑑 | 決済・引渡し日時点で有効期限内の印鑑証明書とその印鑑。なお登記申請に添付する印鑑証明書の有効期限は3か月以内のため要注意。 |
銀行通帳 | 売買代金の振込先口座の情報。 |
登記済権利書・登記識別情報 | 物件を所有していることを証明するために必要。なお物件を2005年以降に取得している場合は、登記済権利書ではなく登記識別情報が発行されている場合もある。 |
固定資産税納付書・固定資産税評価証明書 | 固定資産税を確認するために必要。 |
地積測量図・境界確認書 | 土地の売却対象を明確にするために必要。 |
状況によって必要な書類が変わる可能性もあるため、不動産会社への相談時に忘れずに確認しましょう。
土地売却の注意点3つ
土地売却の注意点は次の3つです。
- ①隣地との境界線の確定が必要
- ②売却完了までは土地の管理が必要
- ③早期売却を目指す場合は「買取」も検討
①隣地との境界線の確定が必要
土地の売却時には、隣地との境界線の確定が必要です。土地の範囲が明確になっていない場合は、測量士や土地家屋調査士へ測量を依頼しましょう。
土地の範囲を明確にしないまま売却すると、買主や隣地所有者とのトラブルに発展することも。たとえ境界線が10cmずれただけでも問題になる可能性があるため、測量費を節約しようとせずにきちんと専門家に依頼しましょう。
②売却完了までは土地の管理が必要
土地の売却が完了するまでは土地の管理が必要です。土地の査定が終わったら気が緩んでしまう人も少なくありませんが、土地の所有権を譲渡するまでは責任をもって定期的に管理しましょう。
管理を怠ると購入希望者への印象が悪くなるばかりでなく、近隣住民からのクレームにつながることもあります。遠方の土地などで自身での管理が難しい場合は、不動産会社に相談してみましょう。
③早期売却を目指す場合は「買取」も検討
土地の早期売却を目指す場合は、「不動産買取」業者への依頼がおすすめです。「不動産買取」は不動産会社と売買契約を締結するため、買主探し不要で土地を売却できます。
また買主を見つけづらい古家付き土地であっても、「不動産買取」であれば取り扱ってもらえる可能性があるでしょう。そのため土地を早期売却したい方だけでなく、買主探しに不安を感じている方にも「不動産買取」がおすすめです。
不動産会社への相談時には「不動産買取」業者も含めて査定依頼を出し、自身の希望どおりの土地売却ができるように手続きを進めていきましょう。なお売却スピードを重視している方には「新潟・長岡・上越不動産買取応援隊」がおすすめです。次章にて詳しく解説します。
不動産買取なら「新潟・長岡・上越不動産買取応援隊」へご相談を
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