不動産査定とは?査定額の算出方法や事前準備、流れ、注意点を解説
「家を売却したいけれど、適正価格がわからない……」と不安を感じていませんか?そんなときに役立つのが不動産査定です。
本記事では、査定額の算出方法や事前準備、査定の流れ、注意点などを詳しく解説します。不動産売却を検討されている方は、ぜひ最後までお読みいただき、不動産売却の第一歩を踏み出しましょう。
不動産査定とは
不動産査定とは、不動産の価値を評価し、適正な市場価格を算出することです。
不動産の価値は、立地や築年数、間取り、設備などさまざまな要因によって決まります。不動産査定では、これらの要因を総合的に分析し、不動産の適正な価格を算出します。
査定を行うのは、不動産鑑定士や不動産会社の営業担当者など、専門的な知識を持った人物です。物件の内覧や、過去の取引事例の調査などを通じて、客観的かつ的確に不動産の価値を見極めていきます。
不動産査定は「売り出し価格」を決めるために必要
不動産を売却する際には、まず「売り出し価格」を決める必要があります。しかし、自宅に対する思い入れが強いあまり、売主が現実離れした高値を付けてしまうことも。そこで重要となるのが、プロの目線による不動産査定です。
不動産査定では、売主の思い入れではなく、立地条件や建物の状態、周辺相場などを総合的に判断して査定が行われるため、売主の主観に左右されない公正な価格が算出されます。査定価格を参考にすることで売主は自信を持って売り出し価格を決定できますし、適正価格での売り出しは購入検討者の関心を集めやすく、早期売却につながる可能性が高まるのです。
一方で、査定価格よりも高値で売り出してしまうと、なかなか買い手がつかない事態に陥ります。長期間売れ残ってしまうと、物件の印象が悪くなり、結果的に売却価格を下げざるを得なくなることも。したがって、スムーズな不動産売却のためには、プロによる的確な査定が不可欠なのです。
不動産査定の種類は3種類
不動産査定には、主に以下の3種類があります。
- 一括査定:複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができるWebサービス。手軽に複数の査定価格が得られる
- 机上査定:不動産会社が物件情報をもとに机上で査定する方法。訪問査定より簡易的だが、売却相場の目安をつかむのに役立つ
- 訪問査定:不動産会社の担当者が実際に物件を訪問し、詳細に査定する方法。物件の状態を直接確認できるため、最も精度の高い査定といえる
売却を具体的に検討されている場合は、まずは一括査定で大まかな相場感を掴み、その後有力な不動産会社2〜3社に絞って訪問査定を依頼するのが得策です。
なおいずれの場合も査定の費用は、不動産が行う売却前提の査定に限り無料のことが多い傾向があります。
これらの方法について、詳しくは下記の記事で解説しています。
関連記事:不動産査定の費用は?無料と有料の違いや相場についても
不動産査定で見られるポイント
不動産査定では、建物や土地の状態、周辺環境など、さまざまな要素が総合的に評価されます。ここでは、不動産査定で重視されるポイントを、建物、土地、環境の3つの観点から説明します。
建物の評価
建物に関する評価項目は以下のとおりです。
評価項目 | 内容 |
築年数 | ・建物の古さは査定額に大きく影響 ・新しい建物ほど高評価となる |
内装・設備の状態 | ・内装のグレードや設備の新しさを評価 ・手入れの状態も評価ポイント |
リフォーム履歴 | ・リフォームの内容や時期を評価 ・適切なリフォームは価値を高める |
耐震性 | ・新耐震基準を満たしているか ・耐震補強の有無も評価対象となる |
土地の評価
土地に関する評価項目は以下のとおりです。
評価項目 | 内容 |
土地の面積と形状 | ・広さだけでなく、整形地かどうかも評価 ・不整形な土地は評価が下がる傾向 |
前面道路の状況 | ・道路の幅員や舗装状態 ・私道負担の有無も確認 |
日照・通風・眺望 | ・南向きの土地は高評価 ・日当たりや風通し、眺めの良さを評価 |
公法上の規制 | ・建ぺい率や容積率 ・高度地区など法的規制も考慮 |
環境の評価
環境に関する評価項目は以下のとおりです。
評価項目 | 内容 |
立地や利便性 | ・最寄り駅からの距離を重視 ・生活施設へのアクセスを評価 |
周辺環境 | ・学校区や治安の良さを評価 ・嫌悪施設の有無も確認 |
騒音 | ・道路や鉄道からの騒音レベル ・飛行機の騒音なども考慮 |
不動産査定額の算出方法
不動産査定額を算出する方法には、取引事例比較法、原価法、収益還元法の3つがあります。それぞれの方法の特徴を理解し、対象物件に適した方法を選択することが重要です。
取引事例比較法
取引事例比較法は、対象物件と類似した条件の物件の実際の取引価格を参考にして、価格を算出する方法です。この方法は、土地や中古マンションの査定に適しています。
まず、対象物件の近隣で、できるだけ同じような条件の物件の取引事例を収集します。次に、それらの事例の取引価格を比較し、対象物件との違いを考慮して補正を行います。例えば、駅からの距離や日当たり、築年数などの違いを加味して、対象物件の適正な価格を導き出します。
取引事例比較法は最も一般的で理解しやすい手法ですが、適切な事例選択や補正が難しいというデメリットがあります。
原価法
原価法は、主に一戸建ての建物部分の査定に用いられる方法です。対象建物を新築する場合に必要となる再調達原価を算出し、そこから建物の築年数に応じた減価を差し引くことで、建物の現在の価値を求めます。
まず、対象建物と同じ構造・規模の建物を新築する場合の費用(再調達原価)を算出します。この際、建築費の相場や物件の仕様などを考慮します。次に、築年数に応じた減価修正を行います。築年数が経過するほど、建物の価値は減少していきます。
原価法は建物の状態を詳しく反映できるメリットがある一方で、土地の価値が考慮されないというデメリットがあります。また建築費の相場データや物件の仕様などを考慮する必要があるため、査定にはある程度の専門知識が求められます。
収益還元法
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと期待される収益に着目して価格を算出する方法です。主に、アパートやマンションなどの収益物件の査定に用いられます。
この方法では、まず対象不動産の1年間の予想賃料収入を算出します。次に、空室率や経費率などを考慮して、1年間の予想純収益を求めます。そして、この予想純収益を還元利回りで割ることで、対象不動産の価値を算出します。還元利回りは、対象不動産の立地や建物の状態、将来の収益の安定性などを考慮して決定します。
収益還元法は将来の収益性を重視できるメリットがある反面、賃料や還元利回りの設定が適切でないと誤った査定結果になってしまう恐れがあります。また、収益物件以外の査定には向いていない手法だといえます。
不動産査定で準備するもの
不動産査定を受けるにあたり、下記の5つを準備しておきましょう。
- 住宅ローン残高の返済:売却予定の不動産に住宅ローンが残っている場合は、ローン残高証明書を用意する。ローン残高は査定価格から差し引かれるため、正確な金額を把握しておく必要がある
- 各種書類の調達:不動産の基本情報や価値を評価するため、不動産の登記簿謄本、固定資産税の課税明細書、建物の図面などの書類が必要となる
- 修繕履歴と修繕が必要な箇所の確認:過去に行ったリフォームや修繕の記録があれば、査定士に提示する。現在修繕が必要な箇所がある場合は、あらかじめ申告しておく
- 土地境界と利用履歴の確認:土地の境界線を明確にしておくとともに、土地の利用履歴についても整理しておく
- 目標の売却希望額を決めておく:査定前に、目標とする売却価格の範囲を決めておく。ただし最終的な売却価格は査定結果や買主との交渉次第となる
以上のような書類や情報を事前に準備しておくことで、スムーズかつ正確な不動産査定が可能になります。詳しくは下記でも解説しておりますので、ぜひご確認ください。
関連記事:不動産査定では何を準備するべき?注意点や査定額を上げる方法についても
不動産査定の流れ
ここでは、不動産査定の一般的な流れを5つのステップに分けて説明します。
1. 簡易査定を依頼する
はじめに、不動産会社のWebサイトや一括査定サイトから簡易査定を依頼します。物件の基本情報や売却希望時期などを入力すると、おおよその査定価格が得られます。この段階で複数の不動産会社に依頼すし、各社の査定価格を比較することで、相場観を掴むことができるでしょう。
簡易査定はあくまでも机上での査定となるため実際の売却価格とは異なる場合がありますが、売却活動を始める前の目安として有用な情報となります。
2. 訪問査定を依頼し、訪問日を確定させる
簡易査定の結果を踏まえ、より詳細な査定を希望する場合は訪問査定を依頼します。訪問査定では、不動産会社の査定員が実際に物件を訪問し、建物の状態や周辺環境などを詳しく調査します。
訪問査定を依頼する際は、複数の不動産会社に依頼し、それぞれの査定額を比較することが重要です。また査定員との対話を通じて、各社の対応力や専門性を見極めることも大切でしょう。査定依頼後は速やかに訪問日を確定させ、スムーズに査定を進めていきます。
3. 訪問査定前の準備を行う
訪問査定前は建物内外の清掃や整理整頓を行い、物件の魅力を最大限にアピールできる状態にしておくことが重要です。
また「不動産査定で準備するもの」でお伝えした下記の書類や情報を用意しておきましょう。
- 住宅ローン残高の返済
- 各種書類の調達
- 修繕履歴と修繕が必要な箇所の確認
- 土地境界と利用履歴の確認
- 目標の売却希望額を決めておく
4. 不動産会社による訪問調査を実施する
訪問査定当日は、査定員が物件を隅々まで調査し、建物の状態や設備の程度、周辺環境などを詳しくチェックします。査定員に物件の魅力や売りをしっかりとアピールしましょう。
査定員は物件の状況を詳細に記録し、写真撮影なども行います。調査終了後は、査定結果がまとまるまでに通常1週間から2週間程度かかります。
なお当サイト「新潟・長岡・上越不動産買取応援隊」を運営している株式会社リアルト・ハーツでは、お客様の状況を把握したうえで各エリアの専門スタッフがお家に訪問して不動産を査定いたします。もちろん近隣に知られたくない場合でも大丈夫。細心の注意を払って伺います。
当社は「相談」も「査定」もすべて無料です!まずはお気軽にご相談から。
5. 査定額を確認し、媒介契約するか検討する
訪問査定の結果、各社から査定額が提示されます。査定額の根拠についてしっかりと説明を受け、納得のいく査定額であるかを見極めましょう。
査定額に満足できる場合は、売却活動を依頼する不動産会社を選定し、媒介契約を結びます。媒介契約を交わす際は売却価格だけでなく、広告戦略や売却までのスケジュールなども確認しておくことが大切です。
不動産査定の注意点
ここでは不動産査定の注意点について詳しく解説します。これらの点に注意することで、より適切な査定結果を得ることができ、スムーズな売却につながります。
査定価格の根拠を確認する
査定価格の根拠を確認することは、不動産査定において非常に重要です。不動産会社から提示された査定価格に対して、どのような基準や方法で算出されたのかを詳しく聞くようにしましょう。
不動産会社によっては、査定書や資料を用いて詳細な説明をしてくれる場合もあります。このような丁寧な説明を受けることで、査定価格の妥当性を判断しやすくなります。また複数の不動産会社から査定を受けた場合は、それぞれの査定価格の根拠を比較することで、より適切な売却価格を見極めることができます。
物件の瑕疵(欠陥)情報を伝える
物件の瑕疵(かし)情報を正確に伝えることも忘れてはなりません。瑕疵とは、建物や土地に存在する欠陥や問題点のことを指します。例えば、雨漏り、シロアリ被害、設備の不具合、土地の地盤沈下などが該当します。
これらの情報を隠さずに伝えることは売主の義務であり、後々のトラブルを防ぐためにも必要不可欠です。瑕疵情報を伝えないまま売却を進めてしまうと、売買契約後に買主が瑕疵を発見した場合、契約不適合責任を問われる可能性があります。
また、瑕疵情報を正確に伝えることで、不動産会社はより適切な査定価格を算出することができます。修繕が必要な箇所や問題点を事前に把握することで、売却後のトラブルを回避し、スムーズな取引につながります。
机上査定やAI査定はあくまでも目安
机上査定やAI査定は不動産の概算価格を知るための便利なツールですが、あくまでも目安であることを理解しておきましょう。これらの査定方法は限られた情報をもとに算出されるため、実際の物件の状態や細かな条件を反映しきれていない可能性があります。
机上査定やAI査定は、売却を検討する初期段階での参考値として有用ですが、実際の売却価格を決定する際には訪問査定を受けることが不可欠です。訪問査定を通じて、不動産のプロから直接アドバイスを受けることで、より適切な売却戦略を立てることができるでしょう。
不動産売却を成功させるポイント
不動産売却を成功させるためには、適切な準備と戦略が不可欠です。ここでは、売却を検討されている方々に向けて、成功のためのポイントをご紹介いたします。
事前に周辺の売却相場を把握しておく
不動産売却の第一歩は、自身の物件が位置する地域の売却相場を把握することです。これにより、適切な売却価格の設定が可能となり、スムーズな売却につながります。
相場を知るには、不動産情報サイトや近隣の不動産会社の情報を活用するのが効果的です。また国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」も参考になります。
ただし、注意すべき点として、取引事例と自身の物件では築年数や間取り、設備などが異なる場合があります。そのため、単純に価格を比較するのではなく、それぞれの特徴を考慮して判断することが重要です。
自宅の売却相場を調べたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:自宅売却の相場はいくら?|売却価格の決まり方と準備も詳しく紹介
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産売却を成功させるためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。各社の査定額を比較することで、より正確な市場価値を把握することができます。
一般的に、3社から5社程度の不動産会社に査定を依頼するのが適切とされています。これにより、査定額の平均値や中央値を算出し、より客観的な価格設定が可能となります。
また、複数社に依頼することで、各社の対応や提案内容を比較することもできます。売却のプロセスやマーケティング戦略、手数料などの条件も会社によって異なるため、総合的に判断することが大切です。
売却エリアに強い不動産会社を選ぶ
不動産売却を成功させるためには、売却物件のエリアに精通した不動産会社を選ぶことが非常に重要です。地域に強い不動産会社は、その地域特有の市場動向や買主のニーズを熟知しており、効果的な販売戦略を立てることができます。
地域に強い不動産会社を見つけるには、まず地元の不動産会社をリストアップすることから始めましょう。そのうえで、各社のWebサイトや口コミ情報を確認し、該当エリアでの取引実績や成約率などを比較検討します。
また、不動産会社との面談時には、その地域での具体的な成功事例や、地域特有の課題への対応策などを質問することをおすすめします。地域に精通した会社であれば、詳細かつ具体的な回答が得られるはずです。
なお新潟・長岡・上越で不動産売却を検討されている方は、ぜひ「不動産買取応援隊」までご相談ください。新潟県内では買取専門で18年。これまでに2,000件(新潟県全域)の買い取り実績があります。まずは下記よりお気軽にお問い合わせください。
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この記事では不動産査定の算出方法や事前準備、流れ、注意点について紹介しました。不動産査定の際、この記事を参考にしましょう。
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