古い家の売り方|売れる3つの方法と売却費用・税金解説

古い家の売り方|売れる3つの方法と売却費用・税金解説

「親から相続した古い家、どうしよう…」

「誰も住んでいない実家、固定資産税だけがかかって負担…」

「管理はどうしたらいい…?」

このようなお悩みを抱えていませんか?価値があるか分からない古い家をどう手放せば良いのか、何から始めれば良いのか分からず、途方に暮れてしまいますよね。

ご安心ください。結論から言うと、古い家でも売却できます。 適切な方法を選べば、不要な資産を現金化し、維持費の負担から解放されることが可能です。

この記事では、不動産売買が初めての方でも安心して進められるよう、古い家の売り方を7つのステップで徹底解説します。

  • 古い家が売れる理由と3つの売り方の違い
  • 売却準備から確定申告までの全手順
  • 「仲介」と「買取」どちらを選ぶべきか
  • 売却にかかる費用・税金と節税方法
  • 売却で失敗しないための注意点

この記事を最後まで読めば、あなたの古い家に最適な売り方が分かり、損をせずに手放すための第一歩を踏み出せます。

目次

古い家は本当に売れる?売却事例

「こんなボロボロの家、本当に売れるの?」と半信半疑の方も多いでしょう。しかし、実際には多くの古い家が市場で取引されています。まずは、古い家でも売れる理由と、売れやすい家の特徴を見ていきましょう。

古い家でも売れる3つの理由

建物自体の価値がゼロに近くても、古い家には買主にとって魅力的な価値が隠されています。

  • 土地としての価値

    多くの買主は、建物ではなく土地そのものに価値を見出しています。特に駅に近い、商業施設が充実しているなど立地が良い場所であれば、建物の古さに関わらず需要が見込めます。買主は建物を解体して新築を建てることを前提に購入を検討します。

  • リフォーム・DIYの素材としての価値

    近年、自分好みの住まいを作りたいというニーズから、中古住宅を購入してリフォームやDIYを楽しむ人が増えています。新築よりも安く購入できる古い家は、自由にカスタマイズしたい層にとって魅力的な選択肢となります。

  • 古民家としての希少価値

    築年数が非常に古く、伝統的な工法で建てられた家は「古民家」として独自の価値を持つことがあります。趣のあるデザインや雰囲気を求める人、古民家カフェや宿泊施設として活用したい事業者など、特定の層から高い需要があります。

売れやすい古い家の特徴

すべての古い家が同じように売れるわけではありません。以下のような特徴を持つ家は、比較的スムーズに売却が進む傾向にあります。

  • 立地が良い(駅近、人気の学区など)
  • 土地の形が整っている(正方形や長方形)
  • 日当たりや風通しが良い
  • 接している道路の幅が広い(車の出入りがしやすい)
  • リフォームや修繕がしやすい構造である

ご自身の家がこれらの条件に当てはまらなくても、諦める必要はありません。売り方やアピール方法を工夫することで、売却の可能性は十分にあります。

【事例】築50年の家を売却したケース

状況相続で受け継いだ築50年の木造住宅。長年空き家で、雨漏りや床のきしみなど傷みが激しい状態。
売り方当初は解体を検討したが、費用がかかるため「古家付き土地」としてそのまま売却することを選択。
結果不動産会社に査定を依頼し、相場より少し低めの価格で売り出したところ、地元の工務店が購入。解体して新築の建売住宅を建てる目的だった。約3ヶ月で売買契約が成立し、維持費の負担から解放された。

このように、建物の状態が悪くても「土地」として価値を評価され、スムーズに売却できるケースは少なくありません。


古い家の3つの売り方と選び方

古い家の売り方には、大きく分けて3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

①古家付き土地としてそのまま売る

建物を解体せず、現状のまま土地とセットで売却する方法です。近年、古い家の売却ではこの方法が主流となっています。

  • メリット
    • 解体費用がかからないため、初期投資を抑えられます。
    • 買主が見つかるまで、固定資産税の住宅用地特例が適用され、税負担が軽いままです。
    • 買主によっては、リフォームして住みたいというニーズにも応えられます。
  • デメリット
    • 建物の状態が悪いと、買主が解体費用を考慮するため、売却価格が更地より安くなる傾向があります。
    • 買主が住宅ローンを利用する場合、建物の状態によっては審査が通りにくいことがあります。
    • 売却後に建物の欠陥が見つかった場合、契約不適合責任を問われるリスクがあります。

②解体して更地として売る

建物を解体し、何もない「更地」の状態で売却する方法です。新築を建てたい買主にとっては、最も魅力的な状態です。

  • メリット
    • 買主が解体費用を負担する必要がないため、古家付き土地よりも高く、早く売れる可能性があります。
    • 買主の層が広がり(個人、ハウスメーカー、不動産会社など)、検討されやすくなります。
    • 建物の欠陥に関する契約不適合責任のリスクがなくなります。
  • デメリット
    • 木造住宅で1坪あたり4万円~6万円程度の解体費用が自己負担となります。(例:30坪の家で120万円~180万円)※新潟県、2026年1月現在 の場合
    • 解体すると住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大で6倍になる可能性があります。
    • 解体費用をかけたにもかかわらず、売却価格が費用を上回らないリスクがあります。

③リフォームして中古住宅として売る

建物の傷んだ部分を修繕したり、設備を新しくしたりして「中古住宅」として価値を高めてから売却する方法です。

  • メリット
    • 買主が購入後すぐに住める状態になるため、売却価格を大幅に上げられる可能性があります。
    • 内覧時の印象が良くなり、買主の購入意欲を高めることができます。
  • デメリット
    • 数百万円単位のリフォーム費用がかかることが多く、初期投資が大きくなります。
    • かけた費用を売却価格に上乗せして回収できるとは限らず、赤字になるリスクがあります。
    • どのようなリフォームが買主に響くかを見極める必要があり、不動産の専門知識が求められます。

3つの売り方の費用・期間比較表

売り方主な費用売却期間の目安メリットデメリットこんな人におすすめ
①古家付き土地仲介手数料、印紙税など3ヶ月~1年・解体費用が不要
・固定資産税が安いまま
・更地より安価になる
・契約不適合責任のリスク
費用や手間をかけずに売りたい人
②更地解体費用、仲介手数料など3ヶ月~6ヶ月・高く売れる可能性がある
・買主が見つかりやすい
・解体費用がかかる
・固定資産税が上がる
少しでも高く売りたい人、資金に余裕がある人
③リフォームリフォーム費用、仲介手数料など6ヶ月~1年以上・大幅な価格アップが期待できる・費用倒れのリスクが高い
・専門知識が必要
不動産投資の知識があり、リスクを取れる人

初心者の方には、まずリスクの少ない「①古家付き土地としてそのまま売る」を検討し、不動産会社と相談しながら「②解体して更地として売る」の選択肢を考えるのがおすすめです。


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古い家の売却手順7ステップ

どの売り方を選ぶにしても、売却の基本的な流れは同じです。ここでは、売却活動を始めてから完了するまでの7つのステップを解説します。

1.売却相場の調査

まず、自分の家がいくらくらいで売れそうか、おおよその相場を把握しましょう。相場を知ることで、不動産会社が提示する査定価格が妥当かどうかを判断できます。

これらのサイトで、所在地や面積、築年数などが似た物件の価格を調べてみましょう。

2.不動産会社への査定依頼

相場を把握したら、不動産会社に正式な査定を依頼します。査定は必ず複数の会社(3社以上が目安)に依頼しましょう。1社だけだと、その査定額が高いのか安いのか判断できないためです。

複数の不動産会社に一度で査定依頼ができる「不動産一括査定サイト」を利用するのが最も効率的です。査定には、物件情報だけで算出する「机上査定」と、実際に現地を見て算出する「訪問査定」があります。正確な価格を知るためには、訪問査定を依頼しましょう。

3.媒介契約の締結

査定結果や担当者の対応などを比較し、売却を任せる不動産会社を決めたら「媒介契約」を結びます。媒介契約には3つの種類があります。

  • 一般媒介契約

    複数の不動産会社に同時に依頼できる。自分で買主を見つけることも可能。

  • 専任媒介契約

    依頼できるのは1社のみ。自分で買主を見つけることは可能。

  • 専属専任媒介契約

    依頼できるのは1社のみ。自分で買主を見つけることはできない。

まずは複数の会社とやり取りができる「一般媒介契約」から始め、信頼できる会社が見つかったら「専任媒介契約」に切り替えるのがおすすめです。

4.売却活動の開始

媒介契約を結ぶと、不動産会社が売却活動を開始します。

  • 不動産情報サイト(SUUMO、HOME'Sなど)への物件情報掲載
  • 不動産流通機構(レインズ)への登録
  • チラシの配布
  • 購入希望者からの問い合わせ対応
  • 物件の内覧(見学)対応

内覧は買主が購入を決める重要な機会です。事前に掃除や片付けを済ませ、家の良い点をアピールできるよう準備しておきましょう。

5.売買契約の締結

買主が見つかり、価格や引き渡し条件の交渉がまとまったら「売買契約」を締結します。契約時には、不動産会社から物件に関する重要事項の説明を受け、買主から手付金(売買代金の5%~10%が相場)を受け取ります。

6.決済・物件の引き渡し

契約で定めた日に、残りの売買代金を受け取り(決済)、鍵を買主に渡して物件を引き渡します。同時に、司法書士に依頼して所有権を買主に移すための「所有権移転登記」の手続きを行います。これで売却手続きは完了です。

7.確定申告

家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告を行い、所得税・住民税を納める必要があります。利益が出なかった場合や、特例を使って税金がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるためには確定申告が必要です。


仲介と買取どっち?メリット比較

古い家を売る際には、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」のほかに、不動産会社自身に直接買い取ってもらう「買取」という方法もあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

仲介のメリット・デメリット

  • メリット

    市場価格に近い、できるだけ高い価格で売れる可能性があります。広く買主を募集するため、思わぬ高値で売れることもあります。

  • デメリット
    • いつ売れるか分からず、売却期間が長引くことがあります。
    • 売却が成立した場合、不動産会社に仲介手数料(売買価格の約3%+6万円+消費税)を支払う必要があります。
    • 買主は個人であることが多いため、契約不適合責任を負う必要があります。

買取のメリット・デメリット

  • メリット
    • 不動産会社が直接買い取るため、最短数日~1ヶ月程度でスピーディーに現金化できます。
    • 仲介手数料が不要です。
    • 買主がプロの不動産会社であるため、契約不適合責任が免除されるケースがほとんどです。
    • 内覧対応や販売活動が不要で、近所に知られずに売却できます。
  • デメリット

    不動産会社は再販を目的として買い取るため、売却価格が市場相場の7割~8割程度と安くなります。

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早く損せず売りたいなら買取が最適

「とにかく早く手放して維持費の負担から解放されたい」「面倒な手続きや買主とのやり取りは避けたい」「遠方に住んでいて管理が難しい」といった方には、「買取」が最適な選択肢と言えます。

売却価格は仲介より低くなりますが、仲介手数料が不要なこと、売れ残るリスクがないこと、すぐに現金化できることなどを考慮すると、時間や手間を含めたトータルで見て「損をしない」賢い売り方です。

まずは仲介で売り出し、一定期間売れなければ買取に切り替える「買取保証」というサービスを提供している不動産会社もあります。


古い家の売却の費用と税金

古い家を売却する際には、さまざまな費用や税金がかかります。事前に把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。

売却にかかる費用一覧

費用項目内容費用の目安
仲介手数料売却が成立した際に不動産会社に支払う成功報酬。(買取の場合は不要)(売買価格 × 3% + 6万円) + 消費税
印紙税売買契約書に貼る印紙代。1万円~3万円(売買価格による)
登記費用抵当権抹消や住所変更などがある場合の司法書士報酬と登録免許税。1万円~5万円程度
解体費用更地にする場合に発生。木造:4万円~6万円/坪
測量費用土地の境界が未確定の場合に発生。35万円~80万円
残置物処分費用家の中に残った家具などを処分する費用。5万円~50万円(量による)

売却で発生する税金と計算方法

家を売却して得た利益を「譲渡所得」といい、この譲渡所得に対して所得税と住民税がかかります。

譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

  • 取得費

    その不動産を購入したときの代金や手数料。不明な場合は売却価格の5%を概算取得費とします。

  • 譲渡費用

    仲介手数料や印紙税など、売却のために直接かかった費用。

譲渡所得にかかる税率は、不動産の所有期間によって異なります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下)

    税率39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)

  • 長期譲渡所得(所有期間5年超)

    税率20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)

相続した家の場合は、親などが所有していた期間を引き継ぐことができます。

使える控除・特例で節税する

古い家の売却では、税金の負担を大幅に軽減できる特例が用意されています。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除

マイホームを売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。自分が住まなくなった日から3年後の年末までに売却するなどの要件があります。

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(空き家特例)

相続した家が一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度です。相続開始から3年後の年末までに売却すること、売却代金が1億円以下であることなどが主な要件です。
(参考: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)

これらの特例を適用すれば、譲渡所得が3,000万円以下の場合、税金はかかりません。適用には確定申告が必要ですので、必ず不動産会社や税理士に相談しましょう。


売却時の注意点とよくある質問

最後に、古い家の売却でトラブルを避けるための注意点と、よくある質問にお答えします。

契約不適合責任を理解する

契約不適合責任とは、売却した物件が契約内容と異なる状態(例:雨漏り、シロアリ被害、給排水管の故障など)だった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。

買主は、契約不適合を知った時から1年以内に売主に通知すれば、追完請求(修理の要求)、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求ができます。

トラブルを防ぐためには、ご自身が知っている家の不具合(雨漏り、傾き、シロアリなど)は、隠さずに正直に不動産会社と買主に伝えることが最も重要です。

相続登記と境界確定は必須

相続登記

相続した家を売却する場合、前提として不動産の名義を被相続人(亡くなった親など)から相続人(自分)に変更する「相続登記」を済ませておく必要があります。2024年4月1日から相続登記は義務化されており、手続きをしないと罰則が科される可能性もあります。

境界確定

隣地との境界が曖昧なままでは、買主が安心して購入できません。土地の境界が不明確な場合は、土地家屋調査士に依頼して「境界確定測量」を行い、隣地所有者と合意の上で境界を確定させておく必要があります。

Q.売れない場合はどうする?

A. 売れない原因を分析し、対策を講じることが重要です。

  • 価格を見直す

    最も効果的な方法です。周辺の相場や競合物件と比較し、価格が適正か不動産会社と相談しましょう。

  • 買取に切り替える

    すぐに現金化したい場合は、不動産会社による買取を検討しましょう。

  • 空き家バンクに登録する

    自治体が運営する「空き家バンク」に登録し、移住希望者などにアピールする方法もあります。

  • 更地にする

    古家付きで売れない場合、解体して更地にすることで買主が見つかる可能性があります。

Q.残置物の処分方法は?

A. 原則として、物件の引き渡し日までに売主の責任と費用で全て処分する必要があります。

家具や家電、衣類などが大量に残っていると、処分費用も高額になります。

  • 自分で処分する

    自治体のルールに従って、粗大ごみや一般ごみとして処分します。

  • 不用品回収業者に依頼する

    手間はかかりませんが、費用がかかります。複数の業者から見積もりを取りましょう。

  • 買主に引き取ってもらう

    買主の合意があれば、一部の家具などを残したまま引き渡すことも可能です。必ず契約書にその旨を明記しましょう。

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まとめ

古い家の売却は、多くの方にとって初めての経験で不安が大きいと思います。しかし、正しい知識と手順で進めれば、決して難しいことではありません。

この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 古い家は「土地」や「リフォーム素材」として価値があり、売却できる。
  • 売り方には「古家付き」「更地」「リフォーム」の3つがあるが、まずは「古家付き」での売却を検討するのがおすすめ。
  • 早く確実に売りたいなら、不動産会社による「買取」も有力な選択肢。
  • 売却益が出ても「3,000万円特別控除」などの特例を使えば、税金がかからないケースが多い。
  • トラブル防止のため、家の不具合は正直に伝え、相続登記や境界確定は済ませておく。

古い家の売却を成功させるための最初の、そして最も重要なステップは、信頼できる不動産会社を見つけることです。

まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、あなたの家の価値を正確に把握することから始めましょう。不動産一括査定サイトを利用すれば、簡単な入力だけで、あなたの家を得意とする複数の会社から査定額や売却プランの提案を受けられます。

長年の悩みだった古い家を上手に手放し、新たな一歩を踏み出しましょう。

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