不動産相続

家の相続手続きの流れ6ステップ|費用や税金・相続しない場合の選択肢も

家の相続手続きの流れ6ステップ|費用や税金・相続しない場合の選択肢も
目次

相続手続きは多岐にわたり、専門的な知識も必要とされるため、ご自身だけで対応するのは容易ではありません。

そんな家の相続手続きの全体像を、本記事では6つのステップに分けて分かりやすく解説します。一連の流れを丁寧に説明しますので、相続手続きの全体像が把握できるはずです。

加えて、相続の際に発生する費用や税金、相続したくない場合の選択肢、注意点なども詳しく解説します。相続手続きで不安を感じている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

家の相続手続きの流れ

家を相続するには、一定の手続きを踏む必要があります。相続手続きを適切に行わないと、所有権の移転ができなかったり、思わぬトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。

ここでは、家の相続手続きの基本的な流れを6つのステップに分けて解説します。相続を円滑に進めるために、何をどのタイミングで行えばよいのかを把握しておきましょう。

関連記事:不動産の相続、何をすればいい?必要な手続きや書類・税金について解説

1. 遺言書の有無を確認する

最初に、被相続人(亡くなった方)が遺言書を残しているかどうかを確認します。遺言書があれば、原則としてその内容に従って相続が行われます。遺言書の内容次第では、法定相続分とは異なる遺産分割になることもあるため、注意が必要です。遺言書が見つからない場合は、法律に基づいて相続手続きを進めていくことになります。

2. 相続人を確定する

遺言書がない場合は、誰が相続人になるのかを確認します。相続人の範囲は民法で定められており、配偶者が常に相続人となり、その他は子供、直系尊属(父母など)、兄弟姉妹の順で優先されます。相続人の確定には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などが必要となります。

3. 相続財産を把握する

続いて、被相続人が残した財産(不動産、預貯金、株式など)と債務(借金など)を全て洗い出し、相続財産の全体像を把握します。不動産の存在は固定資産税の納税通知書などで確認できます。預貯金は通帳や明細書から、株式は株主名簿や取引報告書から把握します。借金は契約書や督促状から判明することが多いです。

4. 遺産分割協議を行う

次に、相続人同士で話し合いを行い、誰がどの財産をどれだけ相続するのかを決めます。この話し合いを「遺産分割協議」と言います。協議の結果は「遺産分割協議書」にまとめます。複数の相続人がいる場合、円滑な合意形成のためにも弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。遺産分割協議が整わない場合は、家庭裁判所に調停や審判を申し立てる必要があります。

5. 相続登記で家の名義を変更する

遺産分割が決まったら、被相続人名義だった家(不動産)の名義を相続人名義に変更する「相続登記」の手続きを行います。登記申請に必要な書類を集めて法務局に提出しましょう。申請書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書などがあります。書類の不備があると登記ができないため、司法書士に依頼するのも一つの方法です。

6. 相続税の申告・納付を行う

相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。申告書を作成し、税務署に提出します。納税額が発生する場合は、期限までに納付を済ませます。相続税は税務署への申告が必要な税金で、申告漏れには重加算税などのペナルティがあります。対象となる財産の把握や税額の計算は複雑なため、税理士に依頼することで効率的に進められるでしょう。

家を相続で発生する費用

家の相続手続きを進める際には、様々な費用が発生します。自分で手続きを行う場合でも一定の費用は避けられませんが、司法書士や税理士など専門家に依頼する場合はさらに費用がかかります。ここでは、家の相続で発生する主な費用について解説いたします。

書類の取得費用

相続手続きに必要な書類を集めるためには、戸籍謄本や住民票、印鑑証明書など各種証明書の取得が必要となり、その際に手数料がかかります。

戸籍謄本は1通450円~700円程度、除籍謄本は750円程度、住民票は1通200円~400円程度、印鑑証明書は1通200円~400円程度の費用がかかります

被相続人と相続人の人数によって必要な書類の数は変わりますが、一般的には数千円から1~3万円程度の費用が書類の取得に必要となります。

司法書士や税理士への依頼料

相続手続きを専門家に依頼する場合は、その報酬が必要になります。

司法書士に相続手続き全般を依頼した場合の費用相場は、実費と報酬の合計で65万円前後が一つの目安となります。相続登記のみの依頼であれば6万6千円~15万円程度が相場です。

一方、税理士に相続税申告を依頼する場合の報酬は、遺産総額の0.5%~1%程度が相場となっています。例えば遺産総額が5,000万円の場合、25万円~50万円程度の報酬になります。

このように、専門家に依頼する場合の費用は安くはありませんが、相続手続きを円滑に進めるためには専門家の力を借りるのが賢明と言えるでしょう。依頼内容や事務所によって報酬は異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

家を相続で発生する税金

家の相続には、主に登録免許税と相続税の2種類の税金がかかります。それぞれの税金の概要と計算方法について解説いたします。

なお相続した不動産を売却するときに使える減税制度については下記の記事で紹介しています。

関連記事:相続した不動産を売却する方法や流れ|税金の特例が利用できる早めの売却がおすすめ

登録免許税

登録免許税は、不動産の所有権移転登記を行う際にかかる税金です。相続によって家の名義を被相続人から相続人に変更する「相続登記」の手続きを行う際に納付が必要となります。

登録免許税の税率は、不動産の固定資産税評価額の0.4%です。例えば、固定資産税評価額が2,000万円の家を相続した場合、登録免許税は8万円(2,000万円 × 0.4% = 8万円)となります。

登録免許税は、相続登記の申請時に法務局に納付します。司法書士に相続登記を依頼する場合は、司法書士報酬とは別に登録免許税分を支払う必要がありますので、あらかじめ費用を確認しておくとよいでしょう。

相続税

相続税は、相続や遺贈によって財産を取得した場合にかかる税金で、相続財産の価値に応じて課税されます。

相続税額は、相続した財産の合計額(課税価格の合計額)から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額に、税率を乗じて計算します。基礎控除額は、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算します。

例えば、配偶者と子供2人の相続で、課税価格の合計額が1億円の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)となり、課税遺産総額は5,200万円(1億円 - 4,800万円)となります。この課税遺産総額を法定相続分に応じて分割し、税率を乗じて各相続人の相続税額を計算します。

家を相続したくない場合の選択肢

相続した家を手放したい場合、主に「相続放棄」と「相続後の売却」という2つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

相続放棄

相続放棄とは、被相続人の死亡によって相続が開始された場合に、相続人が相続そのものを拒否することをいいます。相続放棄の手続きを行うと、はじめから相続人ではなかったことになります。

相続放棄の手続きは、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述することで行います。期限を過ぎると、原則として相続放棄はできなくなりますので注意が必要です。

相続放棄が適しているケース

以下のようなケースでは、相続放棄を検討するとよいでしょう。

  • 相続財産よりも相続債務(借金など)の方が多い場合
  • 共同相続人との関係が悪く、トラブルを避けたい場合
  • 相続財産の管理や処分に手間やコストがかかる場合
  • 相続税の支払いが難しい場合

ただし、相続放棄にはデメリットもあります。一度放棄すると取り消すことはできませんし、被相続人の思いに反する可能性もあります。よく検討してから決断することが大切です。

相続後に売却

もう一つの選択肢が「相続後の売却」です。一旦相続手続きを行った上で、その後に不動産を売却するという方法になります。

相続後に不動産を売却するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 相続税の納税資金を確保できる
  • 不動産の維持コストや管理の手間を省ける
  • 売却益が出た場合、3,000万円までの特別控除が適用される

一方で、売却までには時間がかかることや、売却価格が期待通りにならないリスクもあります。

相続後の売却が適しているケース

以下のようなケースでは、相続後の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 相続税の支払いに充てる現金が不足している場合
  • 相続した不動産を維持・管理するのが難しい場合
  • 相続人全員が売却に同意している場合
  • 不動産の売却益を他の資産運用に回したい場合

ただし、売却手続きには各種書類の準備や名義変更などが必要で、一定の時間と手間がかかります。スムーズに進めるためにも、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

家を相続する際の注意点

家を相続する際には、様々な注意点があります。相続手続きを円滑に進めるためにも、これらの点に留意しておくことが大切です。ここでは、家の相続を行う上での主な注意点を3つ解説します。

家の相続手続きは自分だけでは難しい

家の相続手続きは、複雑で専門的な知識が必要とされるため、ご自身だけで行うのは難しいものです。相続に必要な書類の収集や作成、法律や税務の知識、登記手続きなど、多岐にわたる手続きを適切に行わなければなりません。

そのため、司法書士や税理士、弁護士などの専門家に相談し、サポートを受けながら進めることをおすすめします。専門家の助言を得ることで、手続きの漏れや間違いを防ぎ、トラブルのリスクを減らすことができるでしょう。相続手続きに不安を感じたら、一人で抱え込まずに専門家に相談することが賢明です。

複数の相続人がいる場合は合意形成が必要

被相続人に複数の相続人がいる場合、家の相続をめぐって相続人同士の意見が対立することがあります。誰が家を相続するのか、家をどのように活用するのかなど、方針を巡って争いが生じる可能性があるのです。

このような場合、相続人全員で話し合いを重ね、合意形成を図ることが大切です。各自の考えや事情を共有し、お互いに歩み寄りながら、全員が納得できる解決策を見出していく必要があります。

話し合いが難航する場合は、弁護士などの第三者を交えて調停することも一つの方法です。感情的にならずに冷静に話し合うことを心がけましょう。相続人同士の円滑なコミュニケーションが、家の相続を成功させる鍵となります。

相続した家は放置しない

相続した家を放置してしまうと、様々な問題が生じる恐れがあります空き家の管理が行き届かなくなると、建物の老朽化が進行したり、不審者の侵入を招いたりするおそれがあるのです。

また、相続登記が義務化される令和6年4月以降は、登記を怠ると10万円以下の過料が科される可能性もあります。 相続した家は適切に管理し、必要な手続きを遅滞なく行うことが求められます。

入居者を募集して賃貸に出す、売却して現金化する、ご自身が住むなど、相続した家の活用方法を検討することをおすすめします。空き家の管理は手間とコストがかかるため、早めに方針を立てることが肝要です。

相続した不動産を早く売却するなら「新潟・長岡・上越不動産買取応援隊」へ!

家の相続手続きは煩雑で、時間や労力がかかります。この記事を参考に、専門家の手も借りながら一歩ずつ進めていきましょう。

不動産相続の手続きを進めるなかで、相続した不動産の処分に悩む方も多いかもしれません。そのような場合、不動産買取業者の利用も一つの選択肢となります。「すぐに売却したい」「手続きで困っている」など、相続不動産の売却に関するお悩みがある方は「新潟・長岡・上越不動産買取応援隊」へご相談ください

不動産買取応援隊では、相談内容に合わせて専門家である弁護士、税理士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士と連携を組み、お客様の不動産売却をサポートいたします。

その不動産ごとにするべきことや準備するものが大きく変わってきますので、「専門家」への相談はかなりの近道となるはずです。地域密着・経験豊富な不動産の買取専門スタッフが、ご希望どおりの不動産売買をサポートいたします。

  • ご相談をいただいてから最短20日で現金可能なスピーディーさ
  • 築50年以上もOK、家の中は現状のままで買取可能な柔軟性
  • 不動産買取応援隊を運営する株式会社リアルト・ハーツは新潟県内では買取専門で18年

さらに不動産買取応援隊では相談や査定だけでなく、仲介手数料まで無料です。まずはお気軽にご相談から。

不動産買取応援隊へのお問い合わせはこちら