空き地の固定資産税は6倍に?2026年版・税金が高くなる理由と節税対策5選
使っていない空き地や空き家を所有していると、毎年かかってくるのが【固定資産税】です。特に、老朽化した空き家を解体して更地にすると、税金の負担が急に増えることがあり、多くの方が頭を悩ませています。
老朽化した空き家を「解体してスッキリしたい」「解体して更地にした方が高く売れるかも」などと考えた時には注意が必要です。
空き地の固定資産税が更地で高くなる理由
結論から言うと、空き家を解体して更地にすると、土地の固定資産税は最大で6倍になる可能性があります。「建物がなくなったのに、なぜ税金が上がるの?」と疑問に思うかもしれませんが、これには明確な理由があります。
原因は「住宅用地の特例」が適用外になるため
空き地の固定資産税が更地になると高くなる最大の原因は、「住宅用地の特例」という税金の軽減措置が適用されなくなるからです。「住宅用地の特例(地方税法第349条の3)」とは、人々が生活するための住宅が建っている土地について、固定資産税の負担を軽くするための制度です。つまり、土地の上に住宅があるだけで、税金が大幅に割引されている状態なのです。
しかし、建物を解体して更地にしてしまうと、「住宅が建っている土地」ではなくなるため、この特例の対象から外れてしまいます。その結果、税金の割引がなくなり、本来の税額に戻るため「税金が高くなった」と感じるのです。
住宅用地の特例による軽減措置の内容
住宅用地の特例では、土地の広さに応じて課税標準額(税金を計算する元になる金額)が以下のように減額されます。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)
固定資産税の課税標準額が評価額の1/6になります。 - 一般住宅用地(200㎡を超える部分)
固定資産税の課税標準額が評価額の1/3になります。
例えば、200㎡以下の土地であれば、税金の計算ベースが6分の1にまで圧縮されていることになります。この強力な軽減措置がなくなるため、更地の固定資産税は非常に高額になるのです。
都市計画税も同様に税額が上昇する
市街化区域内に土地や家屋を所有している場合、固定資産税とあわせて都市計画税も課税されます。この都市計画税にも住宅用地の特例があり、建物を解体すると固定資産税と同様に税額が上がります。
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)
都市計画税の課税標準額が評価額の1/3になります。 - 一般住宅用地(200㎡を超える部分)
都市計画税の課税標準額が評価額の2/3になります。
更地にすると、これらの軽減措置も受けられなくなるため、税負担はさらに増加します。
固定資産税の計算と税額比較シミュレーション
では、実際に建物がある場合と更地の場合で、固定資産税はどれくらい変わるのでしょうか。具体的な計算方法とシミュレーションを見ていきましょう。
固定資産税の基本的な計算方法
固定資産税は、以下の計算式で算出されます。
固定資産税額 = 課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)
課税標準額とは、原則として固定資産税評価額のことですが、住宅用地の特例が適用される場合は、評価額からさらに減額された金額になります。税率は自治体によって異なる場合がありますが、多くは1.4%です。
【建物あり】空き家の固定資産税シミュレーション
以下のモデルケースで、建物がある場合の固定資産税を計算してみましょう。
- 土地の面積:300㎡
- 土地の固定資産税評価額:3,000万円
- 建物の固定資産税評価額:500万円
土地の固定資産税
- 小規模住宅用地(200㎡分)の課税標準額
(3,000万円 ÷ 300㎡) × 200㎡ × 1/6 = 約333万円 - 一般住宅用地(100㎡分)の課税標準額
(3,000万円 ÷ 300㎡) × 100㎡ × 1/3 = 約333万円 - 土地の課税標準額合計
約333万円 + 約333万円 = 約666万円 - 土地の固定資産税額
約666万円 × 1.4% = 約9.3万円
建物の固定資産税
- 建物の固定資産税額
500万円 × 1.4% = 7万円
合計税額
土地(約9.3万円)+ 建物(7万円)= 年間 約16.3万円
【建物なし】更地の固定資産税シミュレーション
次に、同じ土地で建物を解体し、更地にした場合の固定資産税を計算します。
土地の固定資産税
住宅用地の特例が適用されないため、土地の評価額がそのまま課税標準額になります。
- 土地の課税標準額
3,000万円 - 土地の固定資産税額
3,000万円 × 1.4% = 42万円
このシミュレーションでは、建物を解体して更地にすることで、年間の固定資産税が約16.3万円から42万円へと、約2.5倍以上に増加することが分かります。土地が200㎡以下の場合、軽減率が1/6から1になるため、税額はさらに跳ね上がります。
空き家を解体しない場合の注意点「特定空き家」
「税金が高くなるなら、古い家でもそのままにしておこう」と考えるかもしれません。しかし、管理されていない空き家を放置し続けることにも大きなリスクがあります。それが「特定空き家」への指定です。
「特定空き家」に指定される基準
「特定空き家」とは、放置することが不適切であり、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすと自治体から判断された空き家のことです。具体的には、以下のいずれかの状態にあると指定される可能性があります。
- 倒壊の危険性
基礎や壁に大きな亀裂があり、倒壊する恐れがある。 - 衛生上の問題
ゴミが放置され、害虫や悪臭が発生している。 - 景観の悪化
雑草が生い茂り、建物の外観が著しく汚れている。 - その他
不審者の侵入や放火の恐れがあるなど、周辺環境に悪影響を及ぼす状態。
特定空き家に指定されると税金が更地同様に高くなる
特定空き家に指定され、自治体からの改善勧告に従わない場合、住宅用地の特例が適用されなくなります。つまり、建物を解体していなくても、更地と同じ高い固定資産税が課されることになるのです。さらに、最大50万円の過料が科される可能性もあります。空き家を放置することは、節税どころか大きな経済的負担につながるリスクをはらんでいます。
2023年開始「管理不全空き家」制度とは
2023年12月13日に施行された改正空家等対策特別措置法により、新たに「管理不全空き家」という制度が創設されました。これは、特定空き家になる手前の段階、つまり放置すれば特定空き家になる恐れがある空き家を指します。この管理不全空き家に指定され、自治体から改善勧告を受けると、特定空き家と同様に住宅用地の特例が解除されてしまいます。
これにより、これまでよりも早い段階で固定資産税が更地並みに高くなる可能性が出てきました。空き家の適切な管理は、これまで以上に重要になっています。
(参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」)
空き地の固定資産税を安くする方法【土地活用編】
更地にしても、放置しても税金が高いなら、どうすれば良いのでしょうか。一つの有効な対策が「土地活用」です。土地を活用して収益を得ながら、固定資産税の負担を軽減する方法を見ていきましょう。
駐車場経営で安定収入を目指す
- 概要
土地を舗装し、区画線を引いて月極駐車場やコインパーキングとして貸し出す方法です。 - メリット
アパート経営などに比べて初期費用が安く、始めやすいのが特徴です。また、将来別の用途に転用しやすい柔軟性もあります。 - 注意点
駐車場は住宅ではないため、住宅用地の特例は適用されません。しかし、アスファルト舗装やフェンスなどの設備は『償却資産』として扱われます。これらの設備の課税標準額の合計が150万円未満であれば償却資産税は課税されず、土地の固定資産税のみの負担で駐車場経営が可能です。
アパート・賃貸住宅経営で高い節税効果を得る
- 概要
土地にアパートやマンションを建てて、賃貸収入を得る方法です。 - メリット
最も節税効果が高い土地活用法の一つです。アパートを建てることで、土地に住宅用地の特例が適用され、固定資産税の課税標準額が大幅に軽減されます。さらに、相続が発生した際には、その土地は『貸家建付地』として評価され、相続税評価額が更地よりも低くなるため、相続税対策としても有効です。 - 注意点
多額の初期投資が必要になるほか、空室リスクや建物の維持管理コストがかかります。
太陽光発電投資で売電収入と節税を両立
- 概要
土地に太陽光パネルを設置し、発電した電気を電力会社に売却して収入を得る方法です。 - メリット
長期的に安定した売電収入が期待できます。また、設備は減価償却資産として経費計上できるため、所得税や住民税の節税にもつながります。 - 注意点
設備の導入に初期費用がかかります。また、日照条件や周辺環境に収益が左右される点に注意が必要です。
トランクルーム経営で初期費用を抑える
- 概要
敷地にコンテナなどを設置し、収納スペースとして貸し出す方法です。 - メリット
駐車場経営と同様に、比較的少ない初期費用で始められます。狭い土地や変形地でも始めやすいのが魅力です。 - 注意点
住宅用地の特例は適用されません。また、エリアによっては需要が少なく、収益化が難しい場合もあります。
固定資産税の負担をなくす方法【売却・寄付編】
「土地活用は難しそう」「管理の手間やリスクから解放されたい」という場合は、土地を手放すことも有力な選択肢です。
土地・空き家を売却して現金化する
- 概要
不動産会社に仲介を依頼し、土地や空き家を第三者に売却する方法です。 - メリット
売却してしまえば、固定資産税の負担は完全になくなります。まとまった現金が手に入るため、他の資産運用や生活費に充てることも可能です。 - 注意点
売却には仲介手数料や登記費用、譲渡所得税などのコストがかかります。また、立地や条件によっては買い手が見つかりにくい場合もあります。
自治体や法人へ寄付する
- 概要
所有している土地を、自治体や特定の法人に無償で譲渡する方法です。 - メリット
売却が難しい土地でも、手放せる可能性があります。寄付が成立すれば、固定資産税の負担から解放されます。 - 注意点
自治体や法人は、利用価値のない土地や管理が難しい土地の寄付は受け付けないことがほとんどです。寄付を検討する場合は、まず受け入れ可能かどうかを事前に確認する必要があります。
相続土地国庫帰属制度を利用する
- 概要
2023年4月27日に始まった新しい制度で、相続した不要な土地を国に引き取ってもらうことができます。 - メリット
売却も寄付もできない土地を手放せる最後の手段となり得ます。 - 注意点
建物がない更地であること、境界が明確であることなど、引き取りには厳しい要件があります。また、審査に通過した上で、10年分の土地管理費相当額(原則20万円)を負担金として納付する必要があります。
(参考:法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」)
空き地と固定資産税に関するQ&A
最後に、空き地や固定資産税に関してよくある質問にお答えします。
Q. 固定資産税が上がるタイミングはいつから?
A. 固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点の土地の状況によって課税されます。
例えば、2024年の10月に建物を解体した場合、2025年の1月1日時点ではその土地は「更地」として扱われます。そのため、税額が高くなるのは2025年度の固定資産税からとなります。解体を検討する際は、このタイミングも考慮に入れると良いでしょう。
Q. 建物の解体費用の相場はいくら?
A. 解体費用は建物の構造や大きさ、立地によって大きく異なります。
一般的な目安として、木造住宅で1坪あたり4万円~6万円(例:30坪の家で120万円~180万円)、鉄骨造で6万円~8万円(例:30坪の家で180万円~240万円)程度と言われています。ただし、重機が入れない場所や、アスベストの除去が必要な場合は追加費用が発生します。正確な費用を知るためには、複数の解体業者から見積もりを取ることをおすすめします。
Q. 空き地・空き家の相談先はどこ?
A. 悩みの内容に応じて、相談先を選ぶことが重要です。
- 税金に関する相談
管轄の税務署や、税理士に相談しましょう。 - 売却に関する相談
地域の情報に詳しい不動産会社が最適です。一括査定サイトを利用して複数の会社に相談するのも良い方法です。 - 土地活用に関する相談
ハウスメーカーや建設会社、土地活用を専門に扱うコンサルティング会社などが相談先になります。 - 法律や相続に関する相談
弁護士や司法書士が専門家です。 - どこに相談すればいいか分からない場合
多くの自治体には無料の空き家相談窓口が設置されています。まずはそこで全体的なアドバイスをもらうのも一つの手です。
まとめ
今回は、空き地の固定資産税が高くなる理由と、その対策について解説しました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
- 空き家を解体して更地にすると「住宅用地の特例」が適用されなくなり、固定資産税は最大6倍になる可能性がある。
- 管理せずに放置して「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されても、税金は更地同様に高くなる。
- 固定資産税の負担を軽減・解消するには、「土地活用」「売却」「寄付・国庫帰属」といった選択肢がある。
- どの対策が最適かは、土地の状況や所有者の意向によって異なるため、専門家への相談が不可欠。
空き地の固定資産税は、何もしなければ大きな負担としてのしかかってきます。しかし、正しい知識を持って行動すれば、負担を軽減したり、資産として有効に活用したりすることが可能です。
まずはご自身の土地がどのような状況にあるのかを把握し、この記事で紹介した対策の中から、最適な方法を検討してみてはいかがでしょうか。一人で悩まず、不動産会社や税理士などの専門家に相談することから始めてみましょう。
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